32.親の背中
これは聞いた話だが 極道を生業としている親。その子の話。
竜也君のクラスで近く父親参観あることになった。
そこで先生は生徒達に (私のお父さん)という題で作文を書いてくるように言った。
竜也君はお父さんについて いろいろ考えながら書いた。そして参観日。
先生が「さあ 竜也君 君の作文を読んでください」「はい!」竜也君は元気良く立った。
そして読み始めた。
「僕のお父さん ○○竜也。
僕のお父さんには兄弟や、あにきが、沢山います。○○のおじちゃんも兄弟です。
でも 本当の兄弟ではありません。お父さんに 何んで○○おじちゃんは兄弟なの? と聞くと
えらい人が 人類皆兄弟ち言うとるやろ と 教えてくれました。そうかぁ お父さんは
えらいなぁと思いました。 お父さんは夜も働いています。だから夜は家にいません。
時々は いてくれたらならなぁと思います。
兄弟のおじちゃんたちが 時どき はなふだあそびをします。
いの しか ちょう 松きりぼうず 月見て一ぱい 僕には さっぱり分かりません。 僕はトランプの
神けいすいじゃく 7ならべ ばばぬきの方が おもしろいのにと思いました。それから お父さんや
兄弟のおじちゃんたちには 背中に ドラゴンやタイガーの絵が書いてあります。 僕だったら
ドラえもんがいいなぁと思いました。○○の兄弟のおじちゃんには、小指がありません。僕が どうしたの?
と聞くと ゆだんしてナイフで切っちゃったと教えてくれました。いたかっただろうなぁと思いました。
お父さんの兄弟やしゃていは よく僕におこづかいをくれます。だから僕は 貯金箱にいっぱい貯金を
しています。たまったら お父さんに おすしをごちそうします。お父さんいつまでも 元気でいてください。」
参観日に出席していた父親は 冷や汗かいたとか!
まさに 親の背中を見て育つ竜也君 彼は将来きっと大物になるでしょう。
それでいい それでいい