47.お上のお慈悲

夜 稽古していると「泰は来ていますか?」生徒の父親が・・・

 「いいや 今日は休んでいますね」 その間 5分ぐらい! 

 「じゃ また来ます お邪魔しました」・・と帰っていった・・・しばらくすると

 「車が動かんですわ!」と エンジントラブルか!

 「おい ちょっと加勢してくれ」と稽古に来ている 一般の大人達を呼び出し

 皆で車抱えて出来るだけ道路の端に・・・と移動した。

 紙に マジックペンで

 (故障中! ご迷惑かけます 明朝対応いたします 電話〇〇〇〇)・・・と

 書き ウィンドーに貼り付けた。

 そこまでは よかったのだが・・・

 早朝5時半 俺いらがジョギングに出かけようと 外に飛び出して 昨夜 止めた車を見ると 

 何んと 駐車違反(警察に連絡を)とロックがされているではないか! 

 ジョギング終わり 帰宅して 車の持ち主 柏田君に電話

 「違反になっているわ!」 「今から行こうと思っていたんですよ」

 現場に来て ロックされているので警察に連絡。 交番?・・・の警察官が来た。

 で 昨夜の事情を説明・・・解ったのか解らないのか 警察官は

 「はい 解りました。 柏田さん 免許証を見せてください」・・・と 

 ??? と免許証を見ながら 違反切符を切っているではないか! 

 俺いらは 「ちょっと お巡りさん! 何んで 違反切符きるの? 車が故障したんだよ

 夜でどうしようもなく この様な処置に しかも ほら 張り紙もしてあるじゃない

 精一杯の対処をしたんだよ それでも違反になる訳? そら おかしいわ! ちょっと切符きるのやめてよ!」

 と頼んだが・・・

 「その言い訳は 北署の本部でしてください!」・・・とにべもなく 断わられた。

 「いや ここで違反切符切るのを止めればいいのでは? おかしいよ!」と嘆願したが 

 警察官は聞く耳持たなかった。 仕方がない!

 「柏田君 すぐ 北署に行って事情を説明しない!」 と

 
 柏田より電話 「館長 やっぱりダメでした。 もう いいですわ! 罰金納めますわ!」

 「何んて ダメ? いいや そらおかしいわ! 担当は北署の交通課やな

 俺が行ってみるわ! このままでは あんたが納得しても俺が納得イカン!」

 北署窓口カウンターに行き 交通違反担当を呼び出し

 「先ほど 柏田と云う人が来たはずですが・・・・」 「はい 来られました。貴方は?」

  俺いらは 名刺を差し出しながら 

 「実は・・・・・・・・・・・・・と昨夜の状況を説明! それでも違反ですか?」と

 「はい もうすでに切符が切られていますので・・・これはどうしようもないですねぇ」と

 「そりゃ おかしいわ! 現場で切符を切られる時に ちゃ~~と説明したのよ!

 で(本部の交通課に云ってくれ)と云われたから 大人しく切符切られたんでしょうが!」

 「う~~ん 何で その様に云ったのでしょうかねぇ?」 埒があかない押し問答!

 「とに角 この違反だけは どうかしてくださいよ! 犯罪にも情状酌量ってあるでしょ

 お上にもお慈悲があるでしょ 何とかしてくださいよ!」 と頼むが

 「いやぁ 切符が切られていたのでは どうしようもないですわ どうしても納得いかんのであれば

 裁判所に不服の申し立てをしてください」と

 「これぐらいのことで裁判沙汰でもないでしょうがぁ どうしてもダメですか?」 

 「無理ですねぇ」  俺いらは切れた!

 「解りました はい はい 分りました。 あんたたち 何が警察じゃぁ 何が民衆の味方じぁ!

 今までも 警察に いろいろ協力してきたぁ  警察の落ち度を見逃したりしてきたぁ・・・

 もう 二度と警察とは云わんわい! 今後 誰が 警察に協力するか! 敵じゃ 敵じゃ 警察は民衆の敵じゃ~~ぁ」

 俺いらは 大声で叫び!・・・・捨てセリフを残して 警察署を後にした。

 帰る途中 柏田に電話 「柏田君 スマン!やっぱダメじゃったわ! ゴメン!」

 「いえ いえ 館長 こちらこそ いろいろご面倒かけました。スミマセン もう いいですわ!」

 帰宅して 妻に 「アハ やっぱりダメだったわ!」と。

 1時間ぐらいして 電話が鳴る 「お父さん 警察からですよ」「???」

 「はい 電話変わりました 長谷場ですが・・・」

 「あ 先ほど 警察に来られた方ですかね?」 「はい そうですが?・・・・」

 「実はですね あれから上司と相談したんですよ! でね 今回は(警告処分)と云うことになりました

 柏田さんに 免許証を持って警察に来ていただくように 云っていただきませんか?」

 「え~~っ それは 本当ですか! ありがとうございます 解って貰ったんですね 感謝します 

 いろいろ暴言はいて スミマセン! いやぁ それでこそ 日本の警察ですよ! アハ^^ お名前は?」

 「菊地です」

(ありがとう 菊地巡査)

 これこそが 本当の警察の姿ではないか! 事故 事件にも 程度がある。

 只、白 黒つけるばかりが能じゃない。時の状況判断力も大事ですよ~~~ぉ
  
 それでいい それでいい